アジア諸国に広がる5S  筑波大学教授/環境・品質マネジメント専攻 吉澤  正

  筑波大学教授/環境・品質マネジメント専攻

                          吉澤  正

                  アジア諸国に広がる5S


 日本企業に限らず世界からのアジアへの進出がますます盛んで、アジアは世界の生産工場になっている感がありますが、戦後日本の産業復興を担ったTQC(現在はTQMといいます)が、アジアの工場で盛んに使われ、このところタイやインドの企業から日本のデミング賞に応募し、デミング賞実施賞を受賞する企業が増えています。


 私も、この3年間、毎年1,2回タイやインドの企業のデミング賞審査や診断に出かけていますが、自動車のブレーキ工場、鋳物部品工場、アクリル化繊工場、セメント製造工場など、どこも5Sが徹底し、ISO9000ISO14000OHSAS18001は当然で、方針管理や統計的手法などを使った改善活動、チーム活動などすぐれた経営を行うようになっています。


 昨年、インドの南部の町チェンマイに行ったとき、スリランカの日本大使館に勤めている日本青年に会いましたが、スリランカでも5Sとかカイゼンは良く知られているそうです。そこで、私が「スリランカでは6S運動にしてはどうですか」とお薦めしましたら、「6番目のSは何ですか?」と聞かれました。第6のSは第6のセンス(第6感)ではなく、スリランカのSですよと説明したら、スリランカで6Sをはやらせたいと言っていました。


 スリランカは、内戦が停止して、日本などの協力を得てようやく復興が始まっています。5S−ASIAならぬ、6Sスリランカで頑張ってほしいところです。
 

                ■吉澤 正教授 プロフィール ■

        筑波大学大学院教授  社会工学系

        統計審議会委員(1989-97)
        環境管理規格審議委員会(副委員長1993-)
        日本適合性認定協会環境認定委員会委員長(1996-)
        日本品質管理学会会長(1998-99)

        [研究分野]
        品質・環境・安全等の総合的マネジメントシステムに関する研究,
        品質機能展開の方法と応用に関する研究,
        多変量及び多元データの解析方法に関する研究など

 

                ISO9000

[International Standardization Organization 9000]
ISO による,設計・製造から検査・アフター-サービスに至る,企業の品質管理システムを認証するための一連の規格。

                ISO14000

 [International Standardization Organization 14000]
ISO による,設計・製造から消費・回収・廃棄に至る,製品生涯における企業の環境管理・監査システムを認証するための一連の国際規格。環境管理規格を定める ISO 14001,環境監査について規格を定める ISO 14010 番台などが含まれる。環境 JIS。
 

                OHSAS18001

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の1つで、国際的コンソーシアム(協会)によって作成された労働安全衛生マネジメントシステムの仕様規格です。
1999年4月に発行され、英国規格のBS8800を基礎にISO14001との両立性を意識して、経営管理の基本であるPDCAモデルを採用し、マネジメントシステムの監査が実施されることを前提としてOSHMSの要求事項を規格化しています。
※OHSAS(Occupational Health and Safety Assesment Series)

 

 

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