経営資源データベース事業の推進について 高森町商工会/経営指導員 嶽野 学

高森町商工会/

経営指導員 嶽野 学様

1. 事業目的 

 

 高森町商工会工業部会は、これまで町当局の支援を受けながら、地元工業振興

のために、受発注促進のための工業製品等展示会への出展事業、人材教育のた

めの研修事業などに取り組んできました。

 

 しかし、近年の経済環境は悪化の直撃を受け、当地域経済においても製造業は

受注高激減などの悪化を辿り、更なる不況の進行が予想され、更なるダメージが

商工業を覆うことが危惧される中で、商工会は、国県の不況対策の有効活用を図

ることはもとより、町当局と連携した不況対策を進めてきました。

 

 低成長下の厳しい経済不況が続く今日、「企業の自立化」を目指しながらも、

商工会工業部会として、新たな観点から工業振興事業を再検討する段階にきてい

ると考え、5Sによる収益体質への転換を図る実践活動に取り組みました。

 

 こうした中でも、企業個々における受発注は、企業が培った信用により、それ

ぞれが保有するネットワークの中で対応しており、町内企業間のそれをみたとき

企業間相互の受発注情報はもとより実際の取引においても、必ずしも円滑化され

ていない状況にありました。

 

 そこで、商工会工業部会としては、地域企業が有する技術・設備などの経営資

源を調査し、情報を円滑化することにより、部会員企業の理解を深め、部会員相

互の受発注取引を推進し、ひいては県内外の取引機会増加や取引先の開拓に活用

する目的でこの事業を立ち上げました。

 

2. 経過・成果

 

 この事業は、平成13年度から開始しました。部会員企業の情報収集より着手

し、「企業名・代表者名・従業員数・電話番号・FAX番号・Eメールアドレ

ス・保有設備・得意技術・得意分野」に限定した調査を実施しました。部会員へ

の趣旨説明と理解を得ることが求められ、文書での周知とともに巡回して説明を

実践する事業所も多く、日々の業務の中での巡回とデータベースとしてのコンピ

ュータ入力作業は4ヶ月に及びました。

 

 平成14年度は、調査により得られた情報の活用方法を検討し、ホームページ

の利用や冊子の刊行による情報の公開に着手しました。

 結果として、67事業所のサイト登録にこぎつけた充足感は大きなものがあり

ます。

 

 補足データの収集や写真の再編集など、工業部長とともに巡回しての収集作業

となりました。期日の関係で天候や夜間を問わずの巡回となりましたが、この事

業の目的である部会員企業の受発注に具体的な成果が得られることが工業部会と

しての願いです。

 

3. 5S実践活動と経営資源データベース事業の関わり

 

 本事業の推進は、5Sアジア事務局のご理解とご支援により支えられています。

 高森町商工会工業部会は、経営資源データベース事業を進める一方で、5Sに

よる収益体質への転換を図る実践活動を推進しています。受発注取引の促進を

図る一方で、収益体質への転換を図らなければもはや生き残れないという考えの

もとに、専門講師との連携により5S活動による現場改善に踏み込んでいます。

 

 5Sアジアのねらいに、「自己主張できる企業風土の実現」という項目があり

ます。これからの小規模企業支援施策の中には「企業の自立化のための支援」と

いう項目があります。両者の方向性が合致し、5SアジアURLサイトへ登録

し、更には、その掲載情報を冊子化する事業へ進展しています。

 

4. 今後の展開 

 

 日進月歩で進む技術革新や情報革命の時代にあって、本事業もスピードが

要求されました。いち早く本事業を完遂したいという気持ちを持って事に当りま

したが、時間がかかりすぎたという反省があります。

 

 多様化と不確実性が増大し、様々な局面で従来の考え方が適用しなくなって

いる今日、初心を思い出すとともに、知恵と勇気をもって変革や新たな取り組み

に挑戦してこそ、発展の道が拓けるのではないかと思います。

 

 ホームページは、既にアクセス件数が100件有余を超える事業所もあり、

具体的な受発注契約につながることが期待されます。2年間については、

受発注促進の趣旨からサイト費用は商工会工業部会の事業費負担としています

が、以降は掲載継続希望各社との契約となります。

 

 経済活動は、自己責任、自助努力そして自由競争が原則です。このホーム

ページを有効活用し自立していくことが、企業の発展、ひいては地域社会の発展

につながると考えます。

 

〔御礼〕

 本事業の推進にあたり、多大なご支援とご協力を賜りました部会員企業の皆様

並びに5Sアジア事務局や町当局の皆様に深甚なる感謝を申し上げるとともに、

更なる工業発展のために幅広く活用していただけることを祈念して御礼とさせて

いただきます。

 
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