企業インタビュー  綜合美術有限会社
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『壁装』の伝統の「技」を最新技術で「創造継承」する壁装芸術家
Q1.貴社はどんな会社ですか?

弊社は「壁画」の製作と「表装」を合せ行う「壁装」の専門企業としてデザインから製作まで一貫して行う会社です。
「壁画」は金箔砂子細工・彩画・型刷り・表面処理・経師、の技術を駆使し造形・表現します。
「表装」は壁に貼り付けたり、襖・屏風・掛軸・額、等に仕上げたりします。
これ等の技術は古くから日本で受け継がれてきた素晴らしい伝統の技です。
しかし 現代建築は新しい装飾方法と新しい素材を使いますから、伝統の技術、伝統の加工材のままでは対応できません。あらゆる新素材への対応が要求されます。あわせて高度な機能も要求されます。

Q2.たとえばどんな施工例があるのですか?

■例えば 羽田新空港ターミナルビル(通称ビッグバード)様
ビッグバードのバンナー(日除けスクリーン)はファイバー織物で出来ています。ファイバー織物は埃や汚れが付着しないのが利点とされ公共の場所で利用されます。

ファイバー織物の汚れが付着し難い利点は逆に絵の具や顔料が付着し難くデザインを施すことが出来ない。
また織物であるために織り目が動くのでプリントは出来ない。とされていました。
しかし このような素材の両面にデザインを載せたい。これが御施主様・設計士様のご希望でした。

オープン以来 激しい温度差に耐えて、耐用希望年数を越えて御使用いただいています。
(この素材への対応事例はホテル、ホール、等にもあります)

 

汚れが着き難い事を特徴とする素材、ガラス・金属・樹脂製品・新素材布・表面コート材・等、
例えばダイノックシート(住友3M)、ベルビアン(シーアイ化成)、ワーロンシート(ワーロン)
シェード・ロールスクリーン(ブラインドメーカー)・等の商品にも絵柄を加工しています。

 

■ 例えば □□ホテル様の場合
 設計士様の希望は樹脂コーティングしたボードの上に「彩画」し「金銀砂子細工」を施したい。
また同じ絵柄を屏風にして使いたい、ということでした。

ここでは汚れ防止を施した新建材への対応と、二種類の素材に全く同じ表現をする対応が求められました。
固定した壁と可動できる屏風で空間のイメージ作りをされています。

ガラス面、コンクリート面、金属面、コーティング材、等、複数の違った建築材が並ぶことや部分ごとに求められる機能が異なる場合もございます。
建築材ごとの技術を使い、要求された機能を満たしつつ全体として調和の取れた作品に仕上げます。

 

例えば(3)青山会館様の場合
ホールの大きさに合せた大きな図柄が要求されました。欅の木一本の大きさは6m×6mです。
また工事期間を短くすることが要求されましたので、腰部分は織物に「型刷り」で壁クロスを製作しました。壁から天井にかけては織物への「型刷り」と現場での「彩画」を施しました。

腰の部分は汚れた部分だけを後で貼り替えられます。

壁から天井にかけての部分はアールになっていますので欅の下にいるような感じがします。
コーナー部分は両アールで球面を裏側から見たようになっています。
自然な感じを出すために現場で「彩画」しました。

大きな現場に対応したもの、小さくてもインパクトの要求されるもの、大きくてもコストが懸からないもの、メンテナンスが楽なもの、等のご希望に沿って製作しています。
 

■ 例えば □□□□寿司 様
小さいがインパクトがほしいので金箔を使いたい。
でも、寿司酢の蒸気で金箔が変色することを防ぎたい というご要望でした。

表面をコーティングすることで寿司店でもご利用が可能となり、大変満足戴いています。
焼肉レストラン ステーキハウス 天婦羅店 等の油膜が付着する現場への対応として様々なコーティングを行っており、和紙の使用も可能と成っています。
 

■例えば ステーキの○○屋 様の場合
設計士様の要望はお店の雰囲気からベニヤ板に直接描いてほしい。デザインはフレンチ モダンにしたい。
お施主様からは油がつくので強く洗いたい。 
といったご要望でした。

パネル4枚で画面構成をして飾り方は自由に出来るようにしました。
また、油膜が洗えるのですでに長期間のご利用を頂いています。

 

■ 例えば 金箔細工 砂子細工のみで製作
ホテル内結婚式場<神殿入り口扉>
「豪華さと深遠な雰囲気を演出したい」「シンプルだが豪華さは出したい」とのご希望でした。
ご希望に沿い金箔・砂子細工だけで装飾しました。

和食レストラン 様 <間仕切り>
「外国のお客様が多いので日本らしさ演出したい。」とのご希望通り多くの方々に慶ばれています。

江戸前 寿司店 様
白木の上に本金箔と砂子で伝統の図柄を描きました。

改装前にも金箔・砂子細工で表現した「水車(みずくるま)図」を約20年お使い頂いて居り、耐用実績の上から金箔・砂子細工をご指定頂きました。
 

■ 例えば すし割烹 様の場合
お施主様のご希望は温度が上がるダウンライトを使いたくない。
直接の明かりでは雰囲気が壊れるので優しく感じる明るさがほしい。
日本の伝統を感じさせるものが良い。

伝統の日本画を行灯に表現しました
江戸前寿司 銚子丸 本店様

 

日本の四季を表現しました
寿司 割烹 百万石 様

絹織物の織り目が光を乱反射させ、柔らかい明るさを醸し出しています。
日本の四季を伝統の技法で彩画し裏側からの光で柔らかく、明るく表現しました。
 
Q3.絶えず新しいことにも挑戦していらっしゃると聞きましたが?

幅広くチャレンジしていますよ。その一部をご紹介します。

■その(1)
  発光ダイオード(LED)を使ったサインボード
  <特徴>
   自由な色表現が出来る。
   細分化した各部分ごとに色を変えることが出来る。
   熱を持たない。
薄く出来る。 (例) 4色で約1cm程度

明るい所での発光状態です。
はっきりと色が確認できます。

 

発光させない状態はエッチングの白色表現じょうたいです。

 

■その(2)
  金箔サンドガラス・金箔サンドアクリル
  <特徴>
   両面から金箔の輝きが得られる
   飛散防止効果が得られる
   光の透過度を調整できる

ガラス+金箔+和紙+金箔+ガラス
ガラス+金箔+ガラス
ガラス+金箔+フイルム
            
 
金箔+和紙+金箔
 
 

■その(3)
立体パネル(3Dパネル)
物や写真を浮かび上がらせたり、沈んで見せたり自由に出来る。

後ろに置いた写真が浮かんで見える
真ん中を沈めてみせる
中央に在るものが浮かんで見える
同一面で浮かべたり沈めたり出来る

伝統の技法を現代に
日本の優れた産業素材と優れた技術を駆使し新しい機能を持った商品を開発して居ります。
新しい使い方、利用方法をご提案ください。

 
Q4.社長は滋賀県彦根の生まれと伺いましたが、伝統文化を身近に感じて育ったことが、このような伝統的な分野を開拓された理由だったんでしょうか?
 そうかもしれませんね。ヨーロッパ諸国を見てみると18世紀の家具類をいまだに大切に使っている話をよく聞きますが、日本では3世代にわたって使っている家具を発見することはとても難しいですね。例えば木のテーブルに付いた汚れがあったら、その家庭の大切な歴史ですね。そんな“情緒面”が、古い家具を捨てる行為で、日本人に欠けてしまってきているように思えてさみしく感じています。
  伝統的な家具や壁画や屏風などまでを大切に伝承してゆきにくくしているのは、消防法関連の法制度もありますし、修理コストが高いといった問題もあると思います。でも、もっと大切なことは『伝統文化を大切にしていきたいと願う“こころ”を大切にする文化』を生活の中にキチンと残していけるかではないかと思います。『伝統を生かす優しさを大切にしたい』の思いで、この分野で頑張っている、というところでしょうか。

伝統文化について熱く語る若林忠社長
日本の伝統文化を背景にしながら、最先端の技術開発を進める、まさに『創造継承する壁装芸術家』ですね。どうもありがとうございました。

付録
「壁画」は
     金箔砂子細工   (金箔・砂子(金箔を粉末にしたもの)を使って造形します)
     彩画       (岩絵の具・顔料・金泥、等を使って絵柄を描く)
     型刷り      (木版や抜き型を使ってプリントや捺染をする)
     表面処理     (漆や樹脂を使って表面をコーティングする)
    
経師       (表装用裂地・織物・和紙を切り継ぐ)

の技術を駆使し造形・表現します


 
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