全国へ羽ばたけ

連載 チャンスを活かせ!−よみがえる中小企業  第4回

 全国へ羽ばたけ

「人がやらない事をやろう、やってみて駄目ならやり直せば良い」

  

青木 隆

中小企業診断士(正会員 東京支部)

E-mail:aoki@aoki-net.com

■変わる屋外広告業(サイン業・看板業)

 1)製作技術の変化(職人技からIT活用へ)

かつての屋外広告業は、看板職人がペンキと筆を駆使して看板を仕上げていく職人技が活躍する場でした。それが、カッティングシートに印刷し、それを切り抜き貼り付けるという方法へ、さらには、大型で低価格のインクジェットプリンターの出現等から、すべてを1枚のシートに印刷し、それを貼り付けるというように、もはや切り抜く手間も省かれるようになってきています。

 2)既存店の減少と異業種参入

 全日本屋外広告業団体連合会加盟のサイン業社数は平成10年の5,632社から、平成14年の4,826社と、ここ4年間で約15%も減少しています。製作技術等の変化に対応できないサイン業者が淘汰されたり、今まで看板製作を外注していた顧客がIT活用により内製化に切り替えるなどしてサイン業の市場そのものが縮小しているだろう事が容易に予想されます。

  一般企業の広告費(屋外広告以外の広告も含む)は企業によるばらつきはあるものの、小売業・サービス業で売上高の1%、それ以外では0.3〜0.5%で推移しています。しかしながら売上高が減少している事を考慮すると金額ベースでは減少していると言えます。

  一方、既存店が減少する反面、印刷業・結婚式場・ホテルなどといった異業種がサイン業に参入してきています。これは、企画力とデザイン力があればITの力を借りて誰でも看板製作ができるという事の現れでしょう。

■業界全体に思いを馳せる会社

新星社の概要

創業:1946年

資本金:9,700万円
従業員:50人
年間売上高:25億円
代表取締役:鳥羽健一 (写真:鳥羽社長)
業務内容:看板の制作、塗装及び一般広告業、各種イベントの企画、構成、運営、看板制作用資材・機材の販売

 1)新星社の概要

 

 北九州市門司区にある新星社も最初は普通の看板屋でした。

 現社長の鳥羽健一氏は、看板屋の家庭に育ち、家を継ぐにあたって「このままではいけない」と考え、装置化や製作技術の変革を予測し、実際にメーカーと組んで専用プリンターを開発しました。さらに、そのプリンターで使用する高品質で安価な資材を開発し、今では自ら看板製作を続ける傍ら、同業者への資材販売を行う会社へと変貌を遂げています。

 2)同業者向けサービス

 「サイン業を斜陽産業にしてはいけない」という同氏の強い思いから、業界の繁栄を通じた当社自身の成長を志向し、普通に考えると単独の企業では成し得ないような、様々な同業者向けサービスを展開しています。

業界の変化

同業者向けサービス

経営手法の変化

異業種参入

■サイン業経営セミナー

■情報誌発行

■ネットワーク化

製作技術の変化

■インクジェットスクール

■デザインサポートセンター

@ サイン業経営セミナーの開催

年に数回、サイン業を営んでいれば自由に参加できる経営セミナーを開催しています。

A 情報誌の発行

 情報誌(「サインズ ウェーブ」)を毎月発行しています。この中では、紙上インターネットセミナー、紙上インクジェットセミナー、営業マンレポートなど、サイン業界に役立つ内容が満載されています。

B ミスター・サイン・ネットワーク

 一般の経営手法などは書籍や商工会議所主催の経営セミナーなどで取得できますが、サイン業にはサイン業の手法があるはずで、それらはやる気のある同業者の中に本質を求めるべきだという考えのもと生まれました。

   フランチャイズ等のようにサイン業者を組織化しようというものではありません。各社の個性を高め、一社一社の向上、繁栄を願う同業者間の成長を学ぶ場として、全国135社のサイン業の方が参加しています。

C インクジェット・スクール

 宿泊代・講習代無料のスクールで、インクジェットの基礎から実際の経験を生かしたテクニックまで学ぶ事ができます。

   参加者からは、「普段はなにげなく使っていたインクジェットも、印刷する素材の特徴を考え、いかに綺麗に印刷するかを学べた」「同業者のオペレータと意見交換が出来た」など喜びと感謝の声が多数寄せられています。

 D デザイン・サポート・センター

  インターネットを利用したサイン業者をサポートするためのサービスです。

  昨年9月にサービスを開始してから本年5月末で登録会員数は2,400社に達し、現在でも1日あたり数社〜10数社の登録が続いています。

   サイン業界は、看板職人の世界だった事もあり、小規模な事業者が多い業界です。そのためかIT化もさほど進んでいません。

   しかし、IT利用は避けられない時代の流れです。当社のこのような取り組みは、当社だけでなく業界全体の発展に寄与するものだと言えるでしょう。

■デザイン・サポート・センター(D.S.C.)

  インターネットを利用したデザイン・サポート・センターを取り上げ、サービスの概要、成功要因、今後の課題を纏めてみましょう。

(以下省略。「企業診断」本誌をご覧ください。)

 

デザインバンク提供例(図表2)と看板写真集の例(図表3)

 

 

 

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