〜「企業成長の隠れたひみつ」〜 

Why Not!

− 企業成長の隠れたひみつ −

                     岡田貢(おかだ みつぐ)

墨田区企画・行政改革課長

 m3b14@kjps.net

戦後初めて経験するデフレーションの中で、中小企業だけでなく、多くの大企業も混乱と戸惑いで喘いでいます。しかし、その中でも自分の企業の経営力を高め、技術を磨き、市場をつかみ成長している企業も少なくありません。中小企業の成功の理由にはさまざまな要素がありますが、真に中小企業が成長に導いた解を求めるのは、1辺のない方程式を解くようなもので、周辺の状況から類推していかなければなりません。そこで、「技術」と「市場」を軸に成長企業のパターンを紹介し、これら企業の成長のきっかけとなった誘因を探るとともに、多くの中小企業経営者とお付き合いをさせていただくうちに見えてきた企業の「成功の要因」を考えてみたいと思います。

 成長企業のパターン

 先の調査を元に成長企業を分析してきた結果、まず成功の前提としてあげられるのは、コア・コンピタンス(中核となる「技術」)の存在です。この技術とは狭義のものづくりに関する技術の意味だけではなく、コンピュータの活用能力や営業力などを含めた広義の技術を指しており、いずれの企業もこのコア・コンピタンスをもとに、市場からの要求やそれ以外の直接的・間接的な誘因の影響を受けながら成長しています。企業を取り巻く市場と技術の関係に着目して分類しますと、大別して3つに類型化されます。図表1をご覧ください。縦軸は成長を、横軸は時間を、星のマークが企業を表しています。また企業に向かって伸びている矢印は企業の内外からの誘因を示しています。

 パターンA技術深化・技術関連市場開拓型です。このパターンは、基盤技術を中心に自信を持っている企業に多く、従来の製造技術を次々と深化させ続けて、その技術の延長線上の関連する市場の開拓に成功している企業です。ステンレス加工をしていた企業が、技術を深化させ加工の難しいチタンやマグネシウム合金等の加工に取り組み、市場を獲得している企業などの例はこの型にあたります。

 パターンB市場キャッチ・技術フュージョン型です。これらは市場ニーズを捉えて、自社の持つコア・コンピタンスと他の企業の技術とをフュージョン(融合)させて、製品や技術を開発している企業で、企画開発型の多くの企業がこれに分類されます。金属食器メーカーだった企業が高齢者等のニーズを捉えて、形状記憶プラスチックを活用した介護食器の製造を行い、現在ではユニバーサル・デザイン商品として展開するようになった企業などはこの型にあたります。

 パターンC市場探求・技術経営変容型です。これは比較的少数なのですが、今までの技術や経営形態の延長線を大きく離れ、さなぎが蝶になるように変容し、市場に対して自社の製品や技術を売り込みに成功している企業です。これらの中には、従来メッキ業だった企業が、従来の表面処理技術を応用して、異質な電子回路のプリントを主とした企業へ変容したといった例のほか、機械部品製造業や運送業からサード・パーティ・ロジスティックス(物流改革を提案し、包括して物流業務を受託する業態)になった企業などがこの型にあたります。

これらの成長企業を見てみると、オーストリア生まれの経済学者シュンペーターの『経済発展の理論』(1912年)のイノベーションの例やOECDの定義(図表2)と酷似しており、いわゆるイノベーションを行った企業が成長していることが分かります。

 図表2

シュンペーターのイノベーションの例

@  創造的活動による新製品開発、

A  新生産方法の導入、

B  市場の開拓

C  新たな資源(供給源)の獲得 など

OECDのイノベーションの定義

@  市場に導入された新しいまたは改善されたプロダクトあるいはプロセスの導入

A  新しい技術開発、既存の技術の新しい組み合わせ、自社により獲得された他の知識を利用した結果に基づくもの

 図表3

 産業展出展成功のためのノウハウ

@  来場者の数よりもバイヤーが多く来る展示会へ出展すること

A  毎年継続して同じ展示会に出展すること

B  出展する前に得意先や以前にオファーのあった企業にDMを出すこと

C  名刺をもらった来場者には必ずアフターケアをすること

D  他社の製品や技術を比較研究すること

E  出展者同士で仲良くなること

主として海外の展示会に言えるものとして

F レセプションに参加して積極的に自社製品や技術のアピールすること、

G 代理店募集をアピールすること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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