メディアの有効活用で注文殺到

 

よみがえる中小企業  連載 第11回

星 16: チャンスを活かせ

 

 

 

メディアの有効活用で注文殺到!

全国冷え性研究所のブランドを活用した販売戦略

垣本容子 

株式会社YKMS 代表取締役

税理士・中小企業診断士

E-Mail: ka-yoko@ykms.com

 

 1.きっかけはホームページ

  1997年、パソコンが普及し、誰しもホームページを独自で作成し始めていた頃、ある鍼灸接骨院のホームページにもう一つ別のタイトルがのっていました。それが「全国冷え症研究所」です。鍼灸接骨院の院長であった山口勝利氏は、慢性的な肩こりや腰痛、関節痛、ふらつき、内臓系疾患などを理由に来院される患者さんの治療を行っている中で、鍼灸やその他の理学療法を施しても一時的な症状緩和のみで、すぐに再発する人や治療効果の見られない人が多くいる事実に直面しました。 

そこで、そういった患者さんに病院を紹介して、精密検査を受けてもらい、その中から異常なしとされた患者さん20人を選び、再度問診を行った結果、共通していたのが「冷え性」でした。それからは、「冷え性」というアプローチで治療を行った結果、80%の人がこれまで抱えていた症状が改善・治癒していったのです。そんな経緯の中で、鍼灸接骨院と冷え症研究所が共存する事になりました。 

山口氏が治療に専念する傍ら、マネジメントを担当していた森野恵子氏が、自らホームページを立ち上げ、ここに「八広針灸接骨院」と「全国冷え症研究所」のホームページが完成しました。

そのネーミングも良かったのでしょうか、あるいはまだ独自のホームページが少なかったのでしょうか。おりしも健康ブーム。特に冬にさしかかろうとしていたこともあって、テレビ各局及び新聞雑誌等が「冷え性」の特集を組むためにホームページを見たといって、こぞって取材にくるようになりました。 

各テレビ局は「冷え性」特集を組んで、「全国冷え症研究所」の宣伝をしてくれました。雑誌等にも「全国冷え症研究所」の治療方法が紹介され、山口氏は、鍼灸接骨院の院長と同時に「全国冷え症研究所」の所長としての顔も持つようになりました。 

テレビにしても雑誌にしても、こちらが広告を出すとなると膨大な広告費がかかるのに、取材と言うことで、反対に出演料や原稿料までいただける始末。その代わり、取材協力はしっかりして、こちらの伝えたいことは、しっかり伝えていただく。それを繰り返しているうちに、東京都墨田区にしか無かった「全国冷え症研究所」が、本当の意味で全国区の冷え症性研究所になっていきました。現在、国内に本部と40ヶ所の分室、海外に1ヶ所の分室を持つまでになりました。 

当初、接骨院に通ってこられる患者さんだけを対象にしていた治療が、たった一つのホームページを契機に全国的に広がる展開をみせたのです。 

2.冷え性グッズの開発 

 冷え症治療が全国的に広まると同時に、冷え性グッズ開発が次の課題として出てきました。 

株式会社フォルテシモは東京都葛飾区にある、資本金1000万円、役員3人、従業員はすべてパートという創業してまだ3年に満たない新しい会社ですが、この会社は、「全国冷え症研究所」が集積した冷え性に関するデータをもとに、素材選びから企画開発にまで携わった商品を製造販売するために設立されました。  

  

※ 以降の内容は同友館『企業診断』2004.4月号 P114をご覧ください。

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