〜「利益の出る5S」の実践が企業を蘇らせる〜 

チャンスを活かせ−よみがえる中小企業

中小企業診断士 棚田 譲二

■5S基盤に異常あり!■

5S(“ゴエス”)とは「あたり前のことをキチンと実行すること」です。日本のものづくりを始め全てのビジネスの基盤であり原点です。ところがこのあたり前のことをキチンと実行することはそう簡単ではありません。しかし、難しいからといって怠けていると「整理・整とん・清掃・清潔・しつけ」の5Sができていない企業はやがては、職場がきたなくなったり、決め事を守れなかったり、方針が決められなかったりとルーズさが目立ってきます。そして思いがけない事故が起き、品質トラブルや納期遅れに悩まされ、取引先から指摘を受ける事態も起きてしまいがちです。

例えば電車が時刻表通りにホームに入って来なかったらどうでしょうか?またホームに入って来てもドアが開かなかったりしたら、たくさんの乗客の予定が狂ってしまう大変な事態になるのと同じ事なのです。

多くの中小企業経営者(統計的な纏めには至っていませんが、少なくとも私が最近5S導入のお手伝いをさせて頂いた100余社の中小零細企業(*)経営者[製造業・建設業・小売業]のほとんど)は5Sの重要性を感じています。しかし同時に社内での「5S活動を継続・維持することの難しさ」も痛感しています。このような中小経営者の悩みを解消し、利益の出る5S活動の実践について事例を交えて報告します。5Sすら実施できない企業は変化の激しい時代には淘汰されてしまう現実を目の当たりにして、苦しむ企業経営者の一助になればと念じています。

   (*)対象は従業員数60名以下の中小零細企業です。

 

■5Sで始まる中小企業の活性化事例 ■

 

 

■有限会社上沢製作所(www.5s-asia.com/user/kamisawasei)プロフィール

プレス金型加工、プレス加工で15年の経験を持ち、過去に「絞りのチリ切り」技術を開発した技術と蓄積を持つ。200d迄のプレス機27台を保有する。現在従業員数15名。

 

■ 全員参加の目標設定による顕在効果

・自社の先行きについての社長の思いが社員に伝わり安心感と信頼感が生まれた。

・年間事業計画書を作成したことで、社員の積極性が出てきた。

・年間事業計画書を提出した取引金融機関の対応が良好になり財務に良い効果がでた。

・取引先への営業が積極的となったため受注量が増加しつつある。

 

■ 地域を挙げての5S実践活動が広域活性化をもたらす ■

 

 

長野県高森町商工会/主席経営指導員 前島登志夫さんのメッセージ

 当商工会では、未曾有のデフレ不況下の経営環境が製造業・建設業・商業に不安を与え、経営環境に柔軟に適応できる経営体質そのものの転換を図らなければ企業そのものの存在理由を失うという考えのもとに、現場改善活動の原点手法である「5S実践活動」の導入に2年前より取組みを開始しました。高森町の商工業の多くが5Sを実践し自身の企業文化として機能させることで、企業経営改革を実現するのです。そして長期的な事業継続成果として「5Sのまち高森」を標榜することで地域商工業全体のレベルアップに繋げ、他地域との差別化が創出される効果をめざしています。

■従来の5S と 利益の出る5S の構造の違い

 

           【従来の5Sの構造】                  【利益の出る5Sの構造】

                        

 

         

        熱心な朝礼風景・・・時には30分にも及ぶことも。              苦労の後が偲ばれる週次計画表

                                                                   毎週の反省会も欠かしません。

 

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